中央大学辞達学会 幹事長挨拶
中央大学辞達学会124代幹事長の朝倉爽介です。
当ホームページをご覧いただきありがとうございます。
辞達学会は弁論を中心に活動を行っております。弁論と
聞いてそれがどのような活動を指すのかはっきりと理解
している人は決して多くないでしょう。弁論とは、弁士
が持つ問題意識を原稿という形に落とし込み、聴衆を説
得する活動のことです。弁士の弁論を聴く聴衆は疑問や
反論を質疑や野次で他の聴衆や弁士と共有します。例え
ば、弁士が教員の過酷な労働環境に問題意識を持ったと
します。弁士はなぜその問題が発生するのか、どのよう
な規模で起こっている問題なのか、解決するにはどのよ
うなプランが適切かといった分析を原稿にします。実際に弁論を行う場では聴衆は弁士の分析をもとにして、分析の精度や提案されたプラン/価値観に疑問や批判を投げかけるのです。
弁論を通して、弁士は社会を少しでも良い方向へと変えていこうとします。そのためには、弁士の持つ問題意識に対して聴衆の共感が不可欠といえます。聴衆に共感されず、価値観や行動に変化を促せなければ弁論によって社会が変化することなどないからです。共感を生むために求められることはいくつかありますが、辞達学会が重視してきたことの1つに組み立てられた「理論の正確さ」があります。問題の所在を裏付ける制度の不備やデータ、問題の原因とプランの整合性など「理論の正確さ」は共感を生む土台となります。
この「理論の正確さ」は弁論を始めたばかりでは中々原稿や質疑に落とし込むことができません。そのため辞達学会では新入生の大会出場にあたり「集団作成」という作成の手法を採っています。「集団作成」では弁士に作成を指揮する指導者がつき、1年生、2年生が一丸となって弁論を仕上げます。多くの人が弁論の作成に携わることによって様々な意見が生まれ、弁士の問題意識がどこにあるのか、原因分析は正しいかといった「理論の正確さ」が育まれるのです。
「集団作成」の利点は他にもあります。それは会員の成長です。辞達学会が最も大切にしていることが会員の成長です。大会において、弁士や指導者以外の会員が弁論作成に携わることのできる環境を作ることによって、会員全体の弁論能力の成長につながり、他の会員と関わる中で人間としても成長することができるのです。
辞達学会は所謂「緩い」団体ではありません。ですが、その分成長と素晴らしい会員との出会いが約束されています。初めは、何となく参加してみようというくらいの意識で構いませんので、「大学生活で何かを得たい/成し遂げたい」
とお考えの方は辞達学会の門を叩いてみてください。
会員一同責任を持って皆様を支援させていただきます。皆様の入会を心よりお待ちしています。
中央大学辞達学会
124代幹事長
朝倉 爽介