2025/02/22 第28回紫紺杯争奪全国学生雄弁大会
2月22日(土)、第28回紫紺杯争奪全国学生雄弁大会が、明治大学駿河台キャンパスにて開催されました。
当会からは藤掛智也(法4)が、演題『人格の発露』のもと、弁論に向き合う一学生として心得るべき誠実さについて訴えました。
結果は見事、準優勝を収めました。
以下、弁士の感想です。

第28回紫紺杯争奪全国学生雄弁大会に、第4弁士として出場致しました藤掛です。この度、皆様のお力添えにより、準優勝という望外の結果を得ることができました。約1カ月に渡る準備期間から大会当日に至るまで、本当に多くの方に助言や激励を頂きました。また、演壇から見える、先輩方を含めた辞達学会員の姿は、大変心強いものでした。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
本弁論の趣旨は、冒頭の「弁士は、言葉を誠実に発するべきだ」というワンフレーズに凝縮されています。本来、至極当然のことですが、自身の4年間を振り返って、これが実践できていたかといえば、自信がありません。10分少々で社会に蔓延る問題の解決を訴え、かつ審査員を含めた聴衆の説得を目指すという学生弁論の競技的性質上、問題の現実を、嘘偽りなくありのままに語る誠実さは、”道徳的観念”として軽視される傾向にあると感じます。そして、私も1、2年生の時には、そうした風潮を抵抗なく受け入れていました。
この現状に一石を投じたかったというのが私の思いです。学生時代に弁論に取り組む意義については、百家争鳴、様々な議論があります。その中で、どの立場をとる人であっても、学生弁論を通じて、考えを異にする他者を説得する技術を、程度の差こそあれ修得することになります。しかし、聞き手の価値観や行動の変容を目指す説得から、誠実さが失われれば、それは聞き手を騙して誘導すること、言わば”扇動”と区別できなくなる可能性さえあります。学生弁論界は、そんな技術を磨く場所であってはならないはずです。
自分の話に耳を傾けてくれる相手に対して、誠実に言葉を紡ぐ経験を得てこそ、学生時代の一時を弁論に費やす価値が生まれると、私は思います。本サイトに掲載される原稿や、各種媒体にアップロードされる動画を含めて、様々な手段で私の弁論を読み、聞いてくれた”あなた”に、誠実さに心を配りつつ弁論に取り組もうと思って貰えたなら、私にとってこれほど嬉しいことはありません。
最後に、問題意識すらなかなか定まらない未熟な弁士を、根気強く、そして最後まで全力で支えてくれた指導者の藤田に、最大限の敬意と感謝を表します。ありがとうございました。